秋季彼岸会法要

 あっというまに秋のお彼岸です。お盆が過ぎると、スーパーにはハロウィンのグッズやお菓子が並んでおります。まだ9月なのにとか思っていたら、お寺の近くのローソンで『おせちの予約』という掲示板!!笑 ライルズもびっくりのスピードで時は流れます。
 きのう9月23日(火)、秋季彼岸会法要をお勤めしました。きょうは、総代さんの奥さんからお預かりしていた、ご実家のお仏壇を使わせてもらい、お仏壇の意味にふれながら、みなさんとお彼岸について味わいました。今年の夏は北の街も珍しく猛暑で、お預かりしていたお仏壇がいろいろとカビてしまいました。法要前日の夜に、急に思い立ち(悪いクセ)、『これをひとつピカピカにして、明日のお話しはこのお仏壇を使わせてもらおう』と夜な夜なお仏壇の掃除が始まりました(本堂に私一人)。仏具にはやはり「ニューテガール」が良い。(あの和服の女性のパッケージのやつ)液体につけ数秒であら不思議。ピカピカの一年生になった仏具にテンションがあがる深夜1時の住職。終わりは3時ころを迎えていましたが、綺麗になったお仏壇を前に、なんとなく自分の心も磨かれたような気がしました。当日の法要では、お仏壇の相談をされていた総代さんご夫婦が一早くそれに気づき「いやぁ~綺麗になったね!!」と喜んでくださいました。(やってよかった。涙)法要では今一度、お彼岸の意味、そして仏具の名称やお仏壇そのものの意味に触れ、お参りのみなさんにお話しさせていただきました。
 このごろは、仏さまや亡き方を思い手を合わせ、『有難い』と家族で大事にしていたお仏壇が、いつしか『息子に負担をかける。娘に迷惑がかかる。』ものとして、今後の対応をご相談いただくことが増えました。現実的な面で仕方のないことも多いですが、お仏壇や納骨堂に区切りをつけると同時にお寺からも離れて行ってしまう方もいらっしゃいます。やはり仏事にかかる費用面で、次の時代の人に負担をかけたくないという方が多くを占めていると思います。
 しかし、『何かのきっかけ』で自分が手を合わせるご縁があった。そのきっかけはその人にとって辛いものだったかもしれませんし、反対に喜びのご縁だったかもしれません。いずれにしても、その方の人生にとって大事な出来事だったはずです。その仏縁まで切ってしまうのは、あまりにも淋しいことです。
 ボクは、お寺は『今』を懸命に生きている人の拠り所、そして、今一度立ち止まって自分自身を振り返る、そんな場所でありたいと思っております。
 磨いたお仏壇を観ながら、皆さんと考え、味わうお彼岸の一日となりました。
 次回はいよいよ10月9日、報恩講&住職継職奉告法要。あと僅かになってきました。準備準備!!